サロンのご案内

ゆったりとした時間の中で文化・芸術・食を楽しみ、交流する居心地のよい空間。

「知に遊び味に遊ぶ会」ご案内
安田文吉先生の新講座、第9回開催!

 


開催案内


演 題文さんの名古屋じまん 第9回
日 時2024年10月5日(土)11:30~
場 所うなぎ有本
会 費10,000円(食事・飲み物付)
ご予約TEL・FAX 052-763-3807

過去回

第1回 はじめまして 本丸・金鯱・天守閣
第2回 徳川家康の深謀
第3回 春の名古屋 お節句と名古屋ご飯
第4回 徳川宗春の英断 奥州梁川藩の苞(つつっこ)曳き祭を巡って
第5回 木造名古屋城天守閣早期完成を目指して
第6回 熱田さんの祭は熱田の神の祭と天王祭
第7回 熱田祭と天王祭のDVD鑑賞
第8回 「秋来ぬと目にはさやかに見えぬども風のをとにぞおどろかぬる」秋の食文化

ちょっと一言

〝もっと名古屋を知ろう〟

秋祭りの季節が来た。祭に付きものは、お囃子とお寿司。お囃子の中心は、笛と太鼓。これは神様との交信手段だ。相撲でも櫓太鼓があって、ここに興業の神様も降りてこられて、相撲が安全に行われ、又お客様も大入りとなる。歌舞伎も江戸時代後期までは、櫓太鼓があった。金比羅さんの金丸座や、歌舞伎座、南座には今も櫓太鼓がある。
日本には八百万の神が鎮座坐しまして、新年は一年の安泰と繁栄を願い、春は豊作を祈願し、夏は疫病退散を祈り、秋は豊作を感謝する。
祭は神を祀るの「祀る」の連用形が名詞化したもので、祭りの中心にはやはり神が必要だ。

「とごり」
秋になり、冷気を感じるようになると、煮物をそのままにしておいても、自然と冷える。その固まったものを「煮こごり」「とごり」と言い、熱田では「うめご」ともいう。

「お月見団子」
中秋の名月(今年は九月十七日)には萩薄を生け、お月見団子・里芋・枝豆・栗と秋の旬の味覚を「お初穂」として、お月様にお供えする。名古屋だけがお月見団子は球形ではなく、里芋型の団子である。中秋の名月は「芋(里芋)名月」ともいわれ、中国ではある民族は里芋をお月様にお供えしているという。この風習が、日本に伝わり、「芋名月」の呼称が生まれ、さらに名古屋地方では、その名の如く、「里芋」型のお団子が生まれたのかもしれない。日本人の心は何よりも自然を大切にしていること・月を敬っていることが伺われる。

「栗きんとん」
栗の菓子には栗粉餅、栗餅、栗善哉、栗羊羹、栗饅頭、栗きんとんがある。

「芋ういろ」
「芋ういろ」は名古屋名物。別名「鬼饅頭」。「外郎」は小田原の薬屋外郎家が打っている万能の丸薬。菓子の外郎はその丸薬が「陀羅尼助丸」同様苦い薬だったので、口直しに甘い菓子を付けて売り出したという所から生まれたと言われているが、実は、外郎は、元(中国の元の国)の礼部員外郎だった。陳宋敬、宋奇が、元が明に滅ぼされたとき、日本に逃れ下関に上陸、先ずは京都まで来て、ここで薬の外郎と餅米を蒸して、黒砂糖で甘みを付けた外郎家の菓子を作って朝廷に献上、時の後村上天皇から「透沈香(とうあんこう)」の名称を授かり、その後相模の北条氏に乞われて小田原に移住・以来現在までここで営業を続けている。

青木昆陽は飢饉の時の為の甘藷の栽培を述べ、江戸地域での甘藷栽培に成功。吉宗はこれを全国に普及させた。薩摩芋は長寿の食物であった。又、宗春は尾張に朝鮮人参を植えた。

徳川宗春の規制緩和による経済活動の活性化
基本政策理念「温知政要二十一箇条」(すべての民のためがモットー)で政治の最終目的は、政権を維持することではなく、全ての民の豊かで明るい生活の実現である。
今の政府も宗春公の「規制緩和による経済活動の活性化」を手本として、「温故知新」の考えを取り入れて見習ってもらいたいものです。

令和6年9月吉日
有本 雪月子